関俊介「RAIN-BELL」
RAIN‐BELL (角川スニーカー文庫) 紫の天使の伝説を追う捜査員・西野は、ある喫茶店で美しい少女・響に出会う。直後、人がケモノ化する事件を目撃した西野は、単身その謎を追うが…近未来(?)サスペンス。 人類の未来と進化っていうテーマは大きかったのだけど、ちと消化不良で終わってしまったのかな?という印象。...
View Article我妻俊樹「FKB実話怪談覚書 有毒花」
FKB実話怪談覚書 有毒花 (竹書房ホラー文庫)我妻 俊樹 竹書房 2013-02-28Amazonで詳しく見る 美しい言葉で紡がれる怪談集、「忌之刻」に続く第二弾である。 文章が必要十分というのか、贅肉がなくて読みやすい。ここにはこれしかないという言葉をピシピシと選択したかのようだ。とくに素晴らしいのは人外の言葉を記すときの不気味さ。...
View Article太田忠司「セクメト」
セクメト太田 忠司 中央公論新社 2013-01-24Amazonで詳しく見る 連続殺人から始まる国際謀略もの。 正義感の強い刑事・和賀は連続殺人の容疑者が殺されているのを発見する。そこで出会った少女から、不思議な言葉を聞き、和賀は事件の闇にはまりこんでいくが…。 タイトルからオカルトかと思ったが、一部、真相に絡む設定がSFちっくな以外は現実寄りの話であった。...
View Article鈴堂雲雀「恐怖箱 吼錆」
恐怖箱 吼錆(くさび) (竹書房ホラー文庫)鈴堂 雲雀 竹書房 2013-02-28Amazonで詳しく見る 恐怖箱トリニテイで活躍した著者の怪談単著。少し長めの話が多いのかな。 印象に残ったのは、超能力譚としても読める「闇を集める」。 他にも壮絶な祟り死に「守った人は」、長編小説になりそうなネタの「相反」が面白かった。...
View Article畠中恵「けさくしゃ」
けさくしゃ畠中 恵 新潮社 2012-11-22Amazonで詳しく見る 一応武家の種彦は、妻にぞっこんLOVE。タヌキ似の本屋・山青堂のおやじにそそのかされて本を出すが? しみじみ時代ミステリー。 種彦が事件を推理するとき、いったん創作だったら…と想像するのが新機軸。...
View Article怪談実話コロシアム 阿鼻叫喚の開幕篇
怪談実話コロシアム 阿鼻叫喚の開幕篇 (文庫ダ・ヴィンチ)朱雀門出 松村進吉 三輪チサ 黒木あるじ 雨宮淳司 崩木十弐 『幽』編集部 メディアファクトリー 2013-02-22Amazonで詳しく見る 怪談実話競作集。朱雀門出「「地獄を選ぶ」、他六篇」 初読の作家さん。あ、「男たちの百物語」で読んだかな…。...
View Article伊坂幸太郎「残り全部バケーション」
残り全部バケーション伊坂 幸太郎 集英社 2012-12-05Amazonで詳しく見る ちんけな犯罪下請けの溝口と、優しい部下の岡田をめぐる物語。 連作短編集なのだが、キャラが立っている上に重要人物の安否が不明であり、ページの最後まで読者の興味を失うことがない。...
View Article小柳粒男「くうそうノンフィク日和」
くうそうノンフィク日和 (講談社BOX)小柳 粒男 長月 みそか 講談社 2008-06-03Amazonで詳しく見る 喫茶店の雇われ店長撒井は、常連の高校生三人が運命に翻弄されるのを、ただただ見ているのであった…。...
View Article黒木あるじ「怪談実話 無惨百物語 にがさない」
無惨百物語 にがさない 怪談実話 (文庫ダ・ヴィンチ)黒木あるじ メディアファクトリー 2013-02-22Amazonで詳しく見る 怪談実話のホープによる、百物語シリーズ二冊目(#)。 新しいのにどこか懐かしく感じるのは、「チョーコワ」や「新耳袋」の、語りの系譜を継いでいるからだろうか。読みやすく、著者の人柄を感じさせる怪談ばかりで不気味に楽しい。...
View Article佐藤典雅「ドアの向こうのカルト」
ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録佐藤 典雅 河出書房新社 2013-01-18Amazonで詳しく見る 母親がエホバの証人に入信したことから、25年間信者として生活した男性が教義の矛盾点に気付いて脱退、自由な生活を送るまでの記録。...
View Article澤村有希「一条怪聞録~摩楼館怪奇事件簿~」
一条怪聞録 摩楼館怪奇事件簿 (竹書房文庫)澤村 有希 竹書房 2013-02-15Amazonで詳しく見る ライターの一条が、集めた怪談をいきつけの喫茶店で語る…という形式の、小説と怪談実話の融合本、第二弾。 今回は一条が表紙。もっともさくてゴツいかと思ったら、案外イケメンじゃないかー!かっこいいじゃないかー!!!いかにもBLっぽい表紙だけれど、雰囲気のみでアレコレはないから安心(?)...
View Article江國香織「ちょうちんそで」
ちょうちんそで江國 香織 新潮社 2013-01-31Amazonで詳しく見る 老人向けマンションに住む雛子には、行方不明になった妹の幻覚がありありと見えて…俗なのに高潔であろうとする老婦人、優しい人殺し、まっすぐな子供とまっすぐすぎる息子たちの物語。...
View Article海堂尊「輝天炎上」
輝天炎上海堂 尊 角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-01Amazonで詳しく見る 見ての通り「螺鈿迷宮(#1)」の続編にして、大団円とはとても言えない桜宮サーガの完結巻(商品画像は黒っぽいが、箔押し表紙なので実際は綺麗な赤)。...
View Article大平健「治療するとカワイクなります」
治療するとカワイクなります: 生きがいの精神病理大平 健 新潮社 2013-01-22Amazonで詳しく見る 精神科医である著者が臨床例から最近の精神病の傾向や時代背景を考察していくノンフィクション。 タイトルからして女性向けなのかと思ったが、「カワイイ」というのは人として魅力的である、というような意。...
View Article水辺の怪談 最恐伝説
水辺の怪談最恐伝説―釣り人は見たつり人社書籍編集部 つり人社 2008-06Amazonで詳しく見る 釣り人ならではの怪談傑作選。 水辺のみならず、泊まった宿や行く途中の車中での怪奇体験も含んでいる。 お盆に釣りをしたら…など、オーソドックスながら臨場感のある怪談が詰まっている。 よくある聞き書きではなく主に語り手自身の体験なので、異様なまでの臨場感や、細かな感覚描写が可能になったのかもしれない。...
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