 | ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場 布施 祐仁 岩波書店 2012-09-28 Amazonで詳しく見る |
安全かつクリーンだと喧伝されてきた原発は、低賃金労働者の自己犠牲により成り立ち、維持されてきていた…驚きのノンフィクション。
これは、つらい本だ。文字通り命懸けでイチエフ(福島第一原発)で働く労働者から、ピンハネしまくる派遣業者、今まで横行してきた原発の事故隠蔽体質などなど、丹念な取材から掘り起こされた事実は、読者を暗鬱な気持ちにさせる。だが、だからこそ、この現代日本で本当に起きていることだからこそ、多くの人に本書を読んでもらって、事実を知ってほしいと思う。
大衆の無関心と思考停止が東電の驕りを招いたのなら、もう我々は原発に関することから逃げてはならない。
p.s.原発再稼働反対デモにも触れているが、人数が主催者発表数なので、実際の人数とは誤差があるかもしれない。