 | 現代百物語 殺意 (角川ホラー文庫) 岩井 志麻子 角川書店 2013-06-21 Amazonで詳しく見る |
シリーズ五冊目は、あいかわらずの「あの女」ネタや文壇のないしょ話、驚異の嘘つき人間どもの生態、〈霊感がない〉と仰る著者が体験するバリバリの心霊現象など、心霊とサイコネタを織り交ぜて飽きさせない。
とくに、●流●レント→スポーツ選手とフェイクを入れはしているが、ＴＶでも大々的に報道されたあの事件だとバレバレな第九十一話は、内容が生々しく過激であり、当該家族から内容にクレームがつかないのか心配になるほど。
たぶん、続けて読むと似たような話が目に付くのだろうが、私は既刊の内容をほどよく忘れたころに新刊を読むので無問題だった。
最も物議をかもすだろうのは第九十二話だ。ここで著者は、このようなことを書いている。
引用→〈私が最も驚いたのは、実話と銘打って怪談を書いている作家が、あれはすべて自分が作った話と告白してくれたことだ〉←引用ココマデ
読者としては当然、この〈作家〉って誰よ、と疑心暗鬼を掻き立てられるのだが、こうして匿名とはいえ著作に描かれることを、告白した作家さんは了承しているのかなぁなんて思ってみたり。
まぁ、アイドルがスポーツ選手にフェイクをかけられている本だったりするので、〈怪談〉の部分がフェイクな可能性もなきにしもあらずだけれども…。
「悪夢」の感想
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11507507203.html
「生霊」の感想
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10936637893.html
「嘘実」の感想
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10575670894.html
「現代百物語」の感想
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10303569073.html
