![]() | FKBふたり怪談 (竹書房恐怖文庫) 松村 進吉 黒木 あるじ 竹書房 2012-11-29 Amazonで詳しく見る |
怪談の雄、ふたりの競作。
多種多様な職業にまつわる怪異を集めた黒木あるじ(写真は眼鏡が超お洒落!!)は、紋様が不幸を招く「刺青」が強い印象を残す。風習を扱い民俗学香るような「シシ」、意外性のある「誤解」など、新味ある怪談が光った。
松村進吉(渋い写真は、まるで修行僧のよう!)は、怪談の枠をぶち壊す物語を打ち出した怪…談?と、第一話など、思わず最初から読み返したほど。
自分が×じられなくなるというのは究極の恐怖であり、一連の作品は従来の怪談の概念には収まらないものだが、恐怖にとことん向き合ったものに思える。
フカシギ感漂う話の数々は、読者を不安の淵に突き落とさずにはおかない。中でも、「形而」の不気味な描写が好みだった。