![]() | かくも水深き不在 竹本 健治 新潮社 2012-07-20 Amazonで詳しく見る |
不気味な館に忍び込んだ子供たちが、一人ずつ消えてゆく。ふと見たテレビのCMが、異様な恐怖を呼び起こす…五編の連作から成る本格ミステリ。
これはすごいなぁ。不条理ホラーかと思いきや、ストンと現実にオチる構成が素晴らしい。
似通った状況が続いたことから、ラストはうすうす予想していたのだけれども、もう一段サプライズが仕掛けてあって、見事に騙された。
「キララ、探偵す。」が好みに合わなくて、しばらくこの作家さんの作品から遠ざかっていたのだが、キララシリーズ以外の作品はやはり読まなくては、と思わされるほどにトリッキーな魅力があった。