 | Silent War 見えない放射能とたたかう 今中 哲二 講談社 2012-11-21 Amazonで詳しく見る |
原子力の専門家として原発の危険性を指摘してきた著者が記す、放射能との付き合い方指南書。
感情や予断を交えず、冷静に科学的に事実を述べていく様子に好感が持てた。
福島第一原発事故における東電や政府の落ち度もはっきり書かれている。
ベクレルとシーベルトの違いを比喩により説明するなど、類書にない工夫がわかりやすい。
また、政府発表を科学的にどうとらえればよいか、公のサイトに発表された数値の読み方から除染方法に至るまで、徹底して市民目線の気配りがなされている。
巻末には原爆により母らを亡くしたご母堂の手記が掲載されていて興味深い。
放射性物質は気になるけど、何をどうしたらよいかわからない…そんな人にこそ、ぜひ薦めたい一冊だ。