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トレヴァー・ノートン「世にも奇妙な人体実験の歴史」

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世にも奇妙な人体実験の歴史世にも奇妙な人体実験の歴史
トレヴァー・ノートン 赤根 洋子

文藝春秋 2012-07-06


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 コレラ菌を飲んだ科学者、わざと梅毒にかかったり、寄生虫を体で飼ってみたりなど医学分野を中心に、動物園の珍獣を食べる美食や、深海潜水艇、音速への挑戦や爆発物処理班まで、さまざまな分野における科学的挑戦を紹介するノンフィクション。

 人体実験といえば、私など真っ先にペンフィールドの脳ミソいじりを想起するが、それほどエグい実験は少なく(いや、…あるか、新薬治験とか…)、基本自らの体を張っているので、その内容は壮絶ながら、翻訳もの独特のユーモアも相まって、描写はどこかほのぼのとして感じられる。

 とくに、ホールデンやピカール、ハスなど、あまり知名度の高くない偉人を知ることができたのは、本書の大きな収穫であった。

 ややグロな部分もあるが、人類のガムシャラな挑戦の歴史を読みたい人に、オススメである。


p.s.放射性物質の項で、『放射性物質を健康にいいと信じて飲み続けて顎の骨が溶けちゃった人』ってのが出て来るのだけど、ああこれが「元素図鑑」で言ってた人か、と感慨深かった。読書は思わぬところでつながるね。
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