![]() | 雪の翼のフリージア (電撃文庫) 松山剛 ヒラサト アスキー・メディアワークス 2012-09-07 Amazonで詳しく見る |
人々が翼を持ち、少女たちが空を飛ぶレースを行う世界。地に落ち翼を失った少女フリージアは、偽翼を作り再び飛ぶことを願っていた…ハイファンタジー。
話題作「雨の日のアイリス」の著者が、またやってくれた。翼を持つのが普通な世界で、翼を失った可憐な少女が再び過酷なレースを目指すのだ。そんな美少女たちが、翼をはためかすのに使うモノとは…ビックリである(秘密。ぜひ読んでみてね)。
ガレットの優しい秘密と、フリージアの傷に隠された暗い秘密を巻き込んだまま、もどかしくもほほえましい師弟関係もあったりなんかしつつ、物語はレースに向かって疾走し、もつれ、加速し、ついにラストを迎える。
このスピード感がタケシ・マツヤマの真骨頂だ。たまらないぜ。
ツカミがとくに最高で、ブラック・ジャックのところに北島マヤが飛び込んできたかのような、熱いパトスを感じた。
p.s.ヒトが翼を持つ世界では、馬はもちろんペガサスだし、野菜も飛ぶのである。他にもすごいモノがいろいろ飛ぶのでお楽しみに。
しかし、55ページとか113ページのシーンも、ぜひイラストで見てみたかったな! あと飛翔するところも…。ヒナちゃんも未登場だし、ぜひシリーズ化希望だ!!