![]() | 箱庭旅団 朱川 湊人 PHP研究所 2012-06-08 Amazonで詳しく見る |
怪奇幻想にちょっぴりユーモアをまぶした短編(連作?)集。
私が好きなのは、ホラー作家が幽霊憑き物件に引っ越すも、意外な理由で退去する「ミッちゃんなんて、大キライ」。
へこんでいたサラリーマンが、ふとしたことから幸運を得る「さきのぞきそば」。
犬好きの心を冷やしてから、ほんのり暖める「クリスマスの犬」。
正体がものすごく気になる、「夜歩き地蔵」。
怖可愛い会話で紡がれる「藤田クンと高木クン」。
ラスト、「七号室の秘密」と「月の砂漠」では、見事に縦糸が通りタイトルの意味が判明し、読者に充足感を与える。これぞ、プロの技だろう。