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井上夢人「ラバー・ソウル」

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ラバー・ソウルラバー・ソウル
井上 夢人

講談社 2012-06-02


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 病からルックスを損ない、外界との接触を最小限に保ってきた男は、ふとしたことから美しい女に夢中になり、やがて悲劇が…愛のサスペンス。

 読んでいて気になったのが、男の独白(?)部分に容姿に関する似たような内容の繰り返しが多いこと。それ以外にも、同一の物事を違う人間の視点から繰り返し描写するので、同じことが何度も出てくる。

 ミステリだから、何かここに細工があるのではと渋々読みはするが、あまりに長いため、飽きが来てしまう。

 男が今までの人生から足を踏み外してしまうシーンには奇妙に実感がなく、顔や体は美しいかもしれないが、あまり魅力的でないヒロインと相まって、誠に(←ここ、主役の名前とかけた洒落ではないよ)共感し難い。

 その違和感の理由がラスト全て詳らかにされたのでスッキリしたが、展開途中のストレスは半端なかった。
 タイプ的には、ジェフリー・ディーヴァー、ライム・シリーズの某作みたいに、読んでて変だと思うところがトリックに直結したミステリで、あまり私の好みではなかった。

 長谷亮平によるカバー画はイメージぴったりで素晴らしい。

p.s.しかし、整形しても及ばない病気って、何だろ。エレファントマン? ホウライエソ似というならば、某サイコ画像集で取り上げられた、醜いレイプ犯みたいな?そうだとしても、頭蓋骨顔面骨を削って特有な顔貌をかなり修正できるはずだが…。

 結局、現代の「オペラ座の怪人」だったんだなあ。


類書:男の片思い的に、これが近いかな。
容疑者Xの献身 (文春文庫)/東野 圭吾
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