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Channel: 読書日記PNU屋
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谷一生「富士子 島の怪談」

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「友造の里帰り」好きな女を口説いて旅行に行ったはいいものの、行き先は気の進まない故郷の島だった…オカルトロマンス。
 枯淡の味わいから、著者は年輩の方なのかな?と思って巻末の紹介を見たら、やはりそうだった。最初は男の身勝手についていけないこころもちがしたけれど、いい話だ。

「富士子」「浜沈子」連続したサイキック(?)もの。スリリングでいい。どこか筒井康隆の「家族八景」を彷彿とさせた。

「あまびえ」先生は、とある魚の調理法がお嫌いで…。
 わかるー、これわかるわー。趣味よくないよね。刺身の旨さもよくわからない私には、あの調理法は残酷としか思えないの。どこかとぼけた先生のキャラも相まって、グッときたわー。

「雪の虹」自殺しようとさまよう男が見たものは、現実か夢幻か。
 これはあまりぴんとこなかったかしら。

「恋骸」過去の恋を振り切ってしあわせをつかもうとする女性。
 とてもクラシックでオーソドックスな話だけれど、じんわりといい話だと思う、たぶん。

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