大正時代に活躍した文豪の、幻想小説傑作選。
不思議な話が好きで好きで、怪談だけ読みたいなんて私みたいな読者にはとても助かるシリーズだ。
私のお気に入りは、中勘介「夢の日記」「ゆめ」「夢の日記から」。夢らしくとりとめのない話も多いが、不気味かつ魅力的な世界を楽しめる。メタモルフォーゼ譚が面白い。
寺田寅彦小品集「夢」も、すさまじく美しいイメージが良かった。
「夢判断」は合理的に夢の解釈や由来の探究を行ってゆくが、最後に謎が残るのも楽しい。
志賀直哉小品集の「病中夢」も、死体の立ち上がる奇怪なイメージに魅せられた。
夢に関する話が多めなので、夢日記に興味ある人にオススメ。
ラストは文豪たちの震災体験記であり、どれも迫力があった。
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妖魅は戯る 文豪怪談傑作選大正
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