
なんとも軽妙なタッチで綴られる怪談には、可笑しみあり涙あり、感動あり戦慄ありで飽きることがない。〜ないで統一されたタイトルがズラッと並ぶ目次は壮観だ。
一話一話は短いようで、畳み掛けてくる連作もあるから変化球が楽しめる。
私のお気に入りを下記に。
聴こえない/どういう因果なのか…、不可思議。
寿命がない/明るい空気が急転。
心配いらない/こんな霊なら来てほしい…!
除霊してない/ほんのりユーモラス。
珍しくない/あちらの世界も、そんなに悪くはないのかもしれない。
安心できない/ええ話や…。
どれかわからない/オチにゾッ…。
終わらない/リフレインににじむやるせなさ。
間にあわない/こんなに素敵な出来事なら、是非起こっていただきたい。
語らない/歴史の悲しみ…。
言葉じゃない/いったいそれらは、何者なのだろうか?