![]() | 怪談標本箱 生霊ノ左 (竹書房文庫) 戸神 重明 竹書房 2017-10-28 Amazonで詳しく見る |
名作怪談「番町」関連のまえがきから始まる、生き物や著者の地元・群馬の話に特色ある怪談本である。
今回は失踪譚が目立ち、初めこそはまたか、と思うが読み進めるうち、繰り返される失踪の重みが畳み掛けるようで、ぞうっとするのだった。
印象的な話を下記に。
「流れる」すべては謎だけれど、通り魔のような怪異が美しくもおぞましい。
「魔橋」こんな自覚不可な怪異が一番恐ろしいのかもしれない。
「ナマズ狩り」怪異のビジュアルが実に不気味…!
「 鬼子の道」幼子にのみ見える怪異。飛頭蛮とは、このように生まれるのかもしれないと思った。
「ヤシガニ」映像化してほしい!
「マサルの家」もしかすると、異次元モノかもしれないと思う。不思議で不安呼び覚ますお話。
p.s.昆虫の話は控えめにされたそうだが、まるまるムシ一冊の本も読んでみたいかも…!是非、昆虫の写真付きで!