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タック&タカチシリーズ短編集。
「無間呪縛」謎はまぁそうだろうなぁ、としか思えぬ真相だが、そこに至るまでのキャラの掛け合いは楽しかった。ネタバレ防止のため詳しくは書けないが、こういう特殊心情が絡んでくるミステリは個人的にニガテ。
表題作は本書の中では一番好みだった(真犯人の動機、心情に無理も感じないし)。ただ、先に逃げて幾星霜、アチラのことは伺い知れぬが吉の私からすると、タックとは毒親理論が相容れないかも。
「意匠の切断」派手なバラバラ事件の地味な落ち行き。
「死は天秤にかけられて」
これは、いかにもトリックに体力的に無理があるのでは。
しかし、かつて女子高教師だった著者が繰り返し説く、女子高の恐怖の説得力ときたら!
本作だけで独立して読めはするけど、キャラクター相関を知っていた方が楽しめるので、あとがきにある時系列順に読んでいくと良いのだろう。私もいろいろ忘れており、イチから読み返したいくらい。
メインのミステリ分以外にも、タックらのそれぞれの進路を知る愉しみがあり、これぞシリーズものの醍醐味だと思う。