![]() | 怪談四十九夜 (竹書房文庫) 黒木 あるじ 竹書房 2016-04-28 Amazonで詳しく見る |
百目鬼野干
「予報」派手さはないが、かっちりと硬派な抑えた文体に、リアリティある怪異が引き立つ!初の怪談ということだが、醸し出す雰囲気はただ者ではなくてとても好みだった。
「微風」理由がわかったとき、ドミノが倒れるようにすべてのピースがあるべき場所に落ち着く。そのカタルシスが、たまらない。
「月番」悪いモノではないのだろうけど、見たら気分はよくないだろうな…。
「風」起きたことは怪談の王道パターンであるのだけど、負傷した頑是無い子供の身ゆえに恐怖が倍増する。
「夜の蝉」東京伝説を彷彿とさせる巻き込まれ型不幸だけれど、しっかり怪談で、後を引くおぞましい余韻に震える。
富士玉女
「一連の出来事」ここまで、「いい話と思わせておいて、ラストゾッとする」話が見られたため、逆パターンは新鮮だった。
「最後の言葉」謎過ぎる、別れの言葉。しかし、この話の中で最も困惑したのは、片思いされていた彼ではないだろうか。
「怒りの矛先」いい話…のような、そうでもないような。ともかくイジメはいけません。
「人の最後」娘さんの想いがせつない。ラスト、そちらの業界にいた者としては、便利なビジュアル怪異だと思ってしまった。
「墓守の山」書かないからこその余韻ではあるが、わけありの理由が知りたくてたまらない。
吉澤有貴
「遺影と鍵」これは、一種の復讐なのだろうか。
「川の向こう」歴史有る土地は、こういう不幸がつもり重なっていて怖いね。
「浣腸祈祷」まずは医学に頼ろう!!支払いは最悪バックレ…いや、何でもありません。
「柱時計とロボット」ロボットにも霊感があるのだろうか?だとすれば、体温、電磁波、空気の振動、どれを検知しているのだろう。
「竹藪の彼」傍から見ればたいそう不気味だけれど、本人が幸せならこれで良い気もする…。
「ずっと一緒」おお、流行の樹木葬!!
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