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ヤマグチノボル「ゼロの使い魔」21

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ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実 (MF文庫J)ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実 (MF文庫J)
ヤマグチノボル 兎塚 エイジ

KADOKAWA/メディアファクトリー 2016-02-25
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 傷つくテファが召喚したのは、サイト?!

 気になるところで中座していた物語の続編である。隠し設定が説明される一方、悲劇的な予感をはらむ謎も明らかになり、ほんとに次巻で完結してしまうのか、大いに気になるところ。

 

 著者の闘病、そして死…未完のまま、途絶するかと思われた傑作ファンタジーが帰って来た!

 著者の死後も書き継がれる物語といえば、最近では「グイン・サーガ」(栗本薫⇒五代ゆう)が記憶に新しいが、本作ではそのまま「ヤマグチノボル」名義としている。

 

 読んでいて、昔のまんまのキャラたちに違和感を覚えることはなかった。ただ、気になったのは描写の盛り上がりのなさ。これは何なんだろう、ルイズとの再会とか、感極まるシーンは多々あったはずなのに、平板に淡々と読み進んでしまった。キャラの感情が、こちらの胸にまで迫ってこないのだ。大急ぎで設定を説明しているから、そう感じてしまうのだろうか?

 

 個人的には、やはり人が変わるのであれば、ゴーストにするのではなく、原案:ヤマグチノボル、執筆:誰それ、と表記しておいてもらいたかった気もする。

 著者近況の説明文や編集者後書きにも書かれているので、前著者の逝去を知らぬままの読者はいないだろうと思うが…。

 

 

 ラノベ?そんなの、中高生の読むモノでしょ?という思い込みを粉砕してくれたのが、松山剛「閻魔の弁護人」と、この作品だった。今は、著者がプロットを遺して下さっていたことから、この続きが読めるのを素直に喜びたい。

 

 

 

 


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