 | 恐之本 お七 （シリーズ7巻） (SGコミックス) 高港基資 少年画報社 2015-07-24 Amazonで詳しく見る |
7巻表記が「お七」なのは、江戸の大火の一つに数えられる八百屋お七からとっているのかな。とはいえ、火事話中心というわけではなく、本シリーズいつも通りのホラー（ビジュアル的ショック満載）を楽しめる。
本作は怪異ビジュアルを読者に見せつけてくれる点で、中山昌亮「不安の種」に似ている。前者が超短編で瞬間を切り取るのに対し、本作は短編で怪異にまつわるストーリーを読ませるので、どちらかといえば活字本の「「超」怖い話」にも似た味わいが感じられる。
ホラーの宿命か、後味の悪い話が多めだが、読後はラストの著者近況にあるネコちゃんでいやされよう。
今回私のお気に入りは、被害者加害者共に哀れな「轢いた女」と、異形の質感が素晴らしく、音まで聞こえそうな「社に住まう者」。