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法月綸太郎「怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関」

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怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関
法月 綸太郎

講談社 2015-07-09


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 カルト的人気を誇るSF作家・トロッターの未発表作が発見された!? しかし、それは贋作だと訴える人物が現れ、グリフィンに原稿回収を依頼する。現行の真贋を調べるうち、キナくさい国家の秘密が立ち現れ…SF風味のサスペンス。

 最近めっきり読書量も減り、読む作家を絞らざるを得なくなって著者を読むリストから外していた。しかし、以前読んだ作品の続編ならば話は別だ。前作にあたる「怪盗グリフィン絶対絶命」の刊行は2006年。もはや内容は覚えていないが、読んでいてなんとなく楽しかった記憶が残っており、本書に手を出した次第。

 シュレーディンガーの猫と並行宇宙のモチーフが繰り返し出て来るので、SFちっくだなぁと思ってはいたものの、ラストまでそれで突っ走るとは思わなんだ。ミステリを期待して読んだらぼう然といった感。とくに後半は事態が国家マターとなり、探偵個人が頑張ってどうにかなる問題ではなくなってしまう他、物理の概念説明が延々と続き、理解及ばず飽き飽きしてしまった。

 ラストにも疑問。半ば夢のような状態で見聞きした情報が、なぜ現実だと思えるのだろう?
 残念ながら、物語として面白いとは思えなかった。グリフィンのキャラは好きなんだけどな…。

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