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京極夏彦「書楼弔堂 破暁」

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書楼弔堂 破暁書楼弔堂 破暁
京極 夏彦

集英社 2013-11-26


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 武士廃業して高等遊民となった高遠は、なじみの書店の丁稚から隠れ古書店を教えられる。その書店には「弔」なる看板が掲げられていた。時代の有名人が、実はみなこの書店で運命の一冊を見つけていたのである…という連作短編集である。

 うん、格調高くてイイものを読んでいる気分になれた。だが、面白いかというと微妙で、一気に通読できず、何度も小休止をはさみながらなんとか通読したのだった。
 読みやすい文章なのだが、理屈っぽいため自分には理解しづらかったのかもしれない。
 
 というか、本書は主人公の高遠がモラトリアム全開なので、資産に恵まれていない人間には、〈働かなくても食べていけるけど、後ろめたいわ〉なんて思っている高遠が妬ましくてたまらないのだ。全くいい御身分である。
 
 良書なんだろうけど、とにかく地味だ。ただ、テーマはメディアファクトリーの怪談雑誌「幽」にも似ており、本書には怪談作家や幽霊画家周辺の話が多かったので、真面目なホラーファンにはその辺愉しめるとは思う。



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