![]() | 禁忌楼 木原 浩勝 講談社 2013-07-25 Amazonで詳しく見る |
祟るものの話、五編を収録。「新耳袋」風あり、「隣之怪」風一人称ありと語り口はさまざま。
〈自分史上、もっとも重い怪談〉とオビにあるのでメチャメチャ期待したのだが、読後感は案外あっさりしていたような…? 怪談を読みあさっているから、私の感覚がマヒしてきたのだろうか。
イラストが多数ついているなど、おどろおどろしいタイトルに反して、本書の読者の対象年齢は意外と低いのかもしれない。
私的に好みだったのは、怪異がおぞましくもおくゆかしい「竈」。
好きじゃないけど、嫌さで印象に残るのは「錆」。この話は女性の方が恐ろしく読めるだろう。
少し疑問だったのは、某話で男の子が祟りの発端となった自然物に近づいて父から怒られるのだが、もうその時点では呪いのモトは撤去されていたんでは(だから、近付いても問題なくない…??)?
撤去しても、再び現れるようなたぐいのモノだったのだろうか?そこんとこがよくわからなかった。