![]() | 闇鍋怪談 (竹書房ホラー文庫) 居島 一平 竹書房 2013-03-29 Amazonで詳しく見る |
芸人の実体験&伝聞から成る怪談集。
芸能人怪談シリーズの中では、殺人事件に結びつく話がダントツに多いと思った。それも、読めば〈ああ、アレか…〉と気付く有名な事件ばかりなので、そこがエキサイティングでもあり好き嫌いが分かれそうなところでもあり。少し、都市伝説風のオチが多めかも。
語り口は流暢で、稲川調の饒舌怪談である。「~だ」「~です」が入り混じるので最初は違和感を覚えたが、読み進めるうちに慣れる。
印象的だったのは、怖いというのではないけどキャラが強烈な「名画座のダンディ」。おおらかな時代を思わせるが、実際には会いたくはないなあ。
霊能者の感覚を描く「虫」はすごく良かった。とくに、〈魚〉なヒトの表現にはゾクっときた。こういう〈知らない世界〉を覗き見させてくれる話は大好きだ。