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太田忠司「虹とノストラダムス」

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虹とノストラダムス虹とノストラダムス
太田 忠司

PHP研究所 2012-10-11


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 1999に世界は滅びるという予言を多感な時期に知ってしまった少年少女たちの軌跡。

 私は著者より少し下の世代なので、ノストラダムスの大予言直撃世代であった。実際にその年を迎えても何も起こらなかったので、拍子抜けしたことだけが記憶に残っている。ゆえに、昨年騒がれた2012年マヤの予言もしらけて見ていた。

 本書はノストラダムスに翻弄された世代には過去を振り返るよすがに、また、ノストラダムスを知識としてしか知らない若人が当時を疑似体験する資料としてお役立ちである。

 本書では主人公が作家志望者のため、賞に投稿するときのドキドキ感、落ちたときの大きな落胆が生き生きと描かれている。そのため、作家志望者にはおおいに共感できると思われる。
 主人公と気になる女子(好きというほどでもないが、なんとなく絆のある異性)とのつかず離れずの関係もほろ苦くて良かった。

 ただ、現実のカタストロフへとつながるラストには、好き嫌いが分かれそうだ。私には今一つ、この趣向は受け入れられなかった。


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