いよいよ出版洪水で、2011年は思うように本の読めない年だった。この傾向はエスカレートこそすれおさまることはないだろうので、これからは自分に合う本の『選び方』が重要になってくることだろう。
できれば2011.1~12月に刊行された本(の中で、私が読んだ本)の中から選びたいが、買ってから実際に読むまでのタイムラグがあるため、1,2ヶ月の誤差はありとした。
私はミステリーと、ちょっと不思議な怪奇小説が好きなので、ランキングもそちら方面に偏っていることをあらかじめお断りしておく。
1位 平山夢明或るろくでなしの死
読んだ瞬間、身震いするほどのワクワク感に、1位はこれしか考えられなかった。短編集だが、七編のどれもが怪しく美しく、似たモノのない味わいで秀逸。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11118974102.html
2位 椎名誠そらをみてますないてます
少し設定を変えてはあるが、著者の半ば自伝的な小説で、ファンにはたまらない。恋をしたり働いたり、世界中を飛び回ったり。どきどきして、かなりしみじみ。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11090511030.html
3位 宮部みゆき ばんば憑き
今年読んだ宮部作品では、これが一番ぐいぐいきて好みだった。妖怪ほっこり人情譚が好きならおすすめ。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10923298727.html
4位 田中啓文ハナシはつきぬ! 笑酔亭梅寿謎解噺 5
「ハナシがちがう!」に始まる落語シリーズの新刊。キャラがいいんだな、これが。やみつきになるので、文庫化もされた1から順に読んでみてちょうだい。あ、感想をまだ書いていなかった。読んだだけで満足しちゃったせいかな…。
ジャズミステリー・シリーズものの「獅子真鍮の虫」、伝奇シリーズ(?)の「こなもん屋馬子」もすごく良かったけれど、全部入れるとランキングが一人の作家で占められてしまうため、割愛。
5位 島田荘司 ゴーグル男の怪
現代ものながら、乱歩のようなレトロな雰囲気まとうミステリー。謎がとにかくステキ。性的虐待など、しんどいシーンもあるが、今、2011年にこの作品が書かれなくてはならなかったわけが読めばわかる、意義ある書であった。うーん、社会派。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11110682682.html
6位 朱川湊人+笹公人遊星ハグルマ装置
歌と不思議な短編とでおくられる不思議なコラボ。怪奇幻想好きなら超おすすめ。表紙カバー画が諸星大二郎なのもはまっている。ああこれも感想書いてない。あー面白かった、という読後感は記憶に残っているのだけれど。
7位 森見登美彦四畳半王国見聞録
非モテ系大学生@京都の攻防を描く楽しい短編集。まるでマンガのような濃いキャラたちの織りなす異空間に遊ぼう。世界観がつながっているので、シリーズ前作の「四畳半神話大系」から読むのがおすすめ。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10819999237.html
8位 古川日出男TYOゴシック (モンキーブックス)
東京を疾走する不死の怪物たち…幻想的な連作集。久しぶりに読んだがこのドライブ感がくせになるな。同年出版の「馬たちよ、それでも光は無垢で」は思い入れと思いこみが爆走していただけなかったが、本作はとても好みだった。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10811638417.html
9位 畠中恵ちょちょら
時代ものだが、いつものようにほんわかしてなくてひりひりしているところが良かった。「やなりいなり」や「こいわすれ」も読んだが、本書が一番面白く読めた。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10897856301.html
10位 真梨幸子 パリ黙示録 1768 娼婦ジャンヌ・テスタル殺人事件
暴動勃発の多かった時代のパリの雰囲気を醸し出すミステリー。私は当時の死体状況のノンフィクション本(フィリップ・シャルリエ「死体が語る歴史」)などを呼んでいたんで、当時の死体観がリアルに色濃く出ていることに驚いた。今年は同時代のロンドンを描いた皆川博子「開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―」がとても評判がいいらしいけれど、私には本作の方が楽しめた。もっと読まれていい作品と思う。
11位 萩尾望都音楽の在りて
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10924963381.html
12位 真藤順丈畦と銃
感想書いてなかったっ。農業、林業、酪農にまたがる連作で、とくにサイキックな林業編がキュート。
13位 藤原智美骨の記憶
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10975298233.html
14位 貴志祐介鍵のかかった部屋
これも感想書いてへんかった。シリーズ二作目は密室ミステリー。これでもかとバカミスすれすれ(どっぷり?)なまでのいろんな密室をあれやこれやと書きまくる、ミステリー魂がステキ。
15位 越谷オサムいとみち
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11066269804.html
16位 京極夏彦オジいサン
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10866083683.html
17位 近藤史恵サヴァイヴ
http://ameblo.jp/bookfed/entry-11017538209.html
18位 森博嗣ヴォイド・シェイパ
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10934301595.html
19位 綾辻行人 深泥丘奇談・続 (幽ブックス)
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10855646872.html
20位 門前典之灰王家の怪人 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)
今年最大のバカミスなる敬意をこめて。
http://ameblo.jp/bookfed/entry-10979547325.html
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2011年度面白い小説ランキング
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