![]() | 俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫) 哀川 譲 H2SO4 アスキーメディアワークス 2010-05-10 Amazonで詳しく見る |
人間と人外が共に机を並べて学ぶ試験校で、眉目秀麗成績優秀、運動神経抜群な美少女アリスが勇者に選ばれた。一方、アリスの幼なじみである主人公の紅太郎は、人間でありながら魔王に選ばれてしまう。魔王は勇者から正体を隠さなければならず?学園ラブコメディ。
「バカとテストと召喚獣」や「れでぃばと!」から盗用したとして、回収になった本である。
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確かに「バカテス」に似た言い回しが散見されるのだが、魔王と勇者の基本設定は一応オリジナルなものなので、勿体ないと言うか、何と言うか、なぜ著者は自分の言葉で紡ごうとしなかったんだろうな。「バカテス」のセリフの掛け合いは、西尾維新ばりにユーモラスで流暢で巧いからなあ、真似したくなる気持ちは理解できなくもないが、この作品の中でコミカルなセリフは浮いて見えるし、コメディが苦手なら無理やり余所からパクってくるのではなく、シリアスで押せば良かったんじゃないのかなあと思った。
人外が案外活躍しなかったのは期待ハズレ(能力が発揮されるのは、ドラキュラのお嬢さんだけだし。せっかくの人狼ときたら、可愛いのとイジメられるために出てきただけだし。光永康則のマンガ「怪物王女」にも似た人造美女は変身能力がある魔物にしても良かったんじゃん、機械じゃまんま「パーマン」のコピーロボットと思うし)。
あと、名前を呼んで正体が…ってのはあまりにうかつで有り得なかろうと。仮にも、次期魔王候補だったヒトの行動にしちゃあ無理があるんでないかい。
「とりかへばや物語」みたいなドタバタ一人二役モノとしてイケそうな設定だけに、なんで他の作品をパチっちゃったのかねぇと残念に思った。
p.s.イラストはとても巧くて可愛かった。