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近藤史恵「はぶらし」

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はぶらしはぶらし
近藤 史恵

幻冬舎 2012-09-27


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 脚本家の鈴音は、いきなり高校時代の同級生から会ってほしいと言われる。なしくずしに彼女・水絵を自宅に泊めるはめになった鈴音だが、約束の一週間を過ぎても彼女は居座り続け…。女の友情物語。

 いやーホラーだわこれ。はぶらしの扱い一つととっても、生活の感覚が違う他人と、いつ終わるとも知れぬ共同生活をするというのは…ほんとストレスフルだわ。

 水絵がわかりやすく悪人だったら叩き出すこともできるが、耕太は悪くないしな…。

 藤子Aの「魔太郎が来る!」ほどたちが悪くはないだけに、鈴音がほだされるのも無理はない。それでも、鈴音はちょっとお人好しに過ぎると思うけどね。

 シングルマザーやワーキングプアなど社会派方面には踏み込まず、女の友情に的を絞った物語だったが、水絵のだらしなさとは裏腹に、爽やかですらある読後感だった(たぶん耕太のおかげ)。

 あなたならどうするか、想像してみるのもいいかもしれない。





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