![]() | 金木犀の徴 探偵・藤森涼子の事件簿 太田 忠司 実業之日本社 2012-08-18 Amazonで詳しく見る |
藤森涼子シリーズ、短編集。藤森涼子といえばアレだ、以前ハルキ文庫で二冊(#)ほど読み、真面目で根性のある女探偵だった記憶はあるが、細かいことは全部忘れた。でも大丈夫、本書はそんな記憶力のアヤシい私でも、充分に楽しめたから。
「石楠花の詞」浮気調査中、引ったくりをつかまえる涼子だが。
これは若者の落とし物がうかつすぎ、都合良すぎで鼻白むのだけれど、探偵レディースの面々が個性的で楽しかった。
表題作は、涼子の通うジムから依頼が持ち込まれる。
うーん、ピンチになってもバッグは手元にあるのだし、そこまで慌てなくとも携帯電話から連絡という手があるのでは? 涼子も女性、グロには弱かったということか。
「夾竹桃の焔」姪っ子の家から見つかった盗聴器は、誰が仕掛けたものか?
シンプルなサスペンス。お調子者の姪の静子が危なっかしくて(!)楽しかった。ぜひ彼女には藤森探偵所に入ってもらい、綾とコンビを組んでほしいものだ。
伊藤ちづるによるカバー画の雰囲気がいい。フェミニンかつ芯の強さも漂わせる絵で、涼子のイメージにぴったり。
(#)現在は傑作選として出ているみたい。探偵・藤森涼子の事件簿 (実業之日本社文庫)
