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恒川光太郎「金色の獣、彼方に向かう」

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金色の獣、彼方に向かう金色の獣、彼方に向かう
恒川 光太郎

双葉社 2011-11-16


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「異神千夜」元僧侶は寂しさから、草庵に熊皮をまとう男を招いたが、男は恐るべき話を語りだし…。
妖艶かと思えば純朴な一面も見せる、獣神憑きの巫女の生き方が悲しい。

「風天孔参り」樹海そばのレストランに来たうら若き女性。店主は彼女と関係を結ぶが…。
ここではないどこかへ通じる誘惑に、読者はあらがえるか。

「森の神、夢に還る」森の中に住まう者は、夜の駅で見た少女に憑いて都会へ行くが…。
かわいらしいが切ない物語。手紙は想い人に届くだろうか。

ラスト、表題作。少年と少女は金色のイタチを見つけ、ルークと名付けて飼うが…。
“猫の墓堀り人”が渋くてかっこいい!数多の謎が明らかにされずに終わるが、それすらも魅力的な幻想譚だ。

 元寇など、歴史と絡めた設定が新機軸かも。


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