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大学生の花は孤独な男性と出会いつきあい始めるが、彼は「おおかみおとこ」だった。ひっそりと出産する花だが、彼を事故で失い、女手ひとつで二人のこどもを育てることに…。
原作本がしみじみしていたので、「ＤＶＤになったら見ようかなぁ」とつぶやいたところ、アニメに詳しいツレが「大画面で見るべき映像だと思うよ」と言うので、奮発して見に行って来た。
映画館は夏休みゆえ、親子連れ（大半は就学前の子）でいっぱいだった。
当然と言えば当然だが、ストーリーはほぼ原作本の通りで（雪の語りで始まるのがちょっと予想外）、既に筋を知っている自分は存分に映像の美しさを楽しむことができた。
とくに活発な雪は、おおかみこどもなので人から狼になめらかにクルクルと変身する。そのスムーズな動きを支える技術がすごいと思う。
背景も実写かと見まごうばかりに作り込まれていて、映像美に息をのんだ。これは映画館の大画面で見るべきだろう（うちのＴＶはまだブラウン管方式の、１４インチだからな…）。
これは恋愛の後始末の話（彼の死により恋愛が断ち切られた結果、愛の結晶二人が育ち、巣立つまで母が独り苦労する）かと思っていたが、大変だし苦しいけれど、やりがいがあってかけがえがなくて素晴らしい、母親＆子育て賛歌なのだと感じた。
静かな、静かな恋愛映画なので、小さい人たちは飽きて走り回ったり騒いだりしていた。にんげんこどもには、ちょっと難しい映画だと思う。ほのめかされるだけだがラブシーンもあるし、R-12でもいいかもしれない。エロいからではなく、理解が難しいという理由で。ハイティーン以上の大人が、カップルで見るには最適の映画と思う。
ただ、母の愛は七割がた息子にばかり注がれていて、お姉ちゃんはちょっと可哀想だな（けらえいこ「あたしンち」のように、マイペースな姉とおとなしい弟だから）。
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p.s.花の夢の中＠原作本にて、おおかみがおおかみおとこになるシーン、どう考えても服着てないよね？ﾌﾙﾁﾝだよね？と思い、どう表現されるのかと思ったら、うまくぼかして処理されていた。
私の好きなシーンは、雪がころころ駆け回るところと、母の車の中で雪が謝って泣くところ。前者は楽しさで、後者はせつなさで。原作よりも映像の方が少年のしつこさが伝わって来て、ありゃ男の子の方が悪いわーと感じた。
ツレは「よくゲロる映画だねー」って、そんなでもないでしょ三回くらいでしょ。ま、赤ん坊やこどもはゲロるもんですヨ。
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