 | ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫) 三上 延 アスキーメディアワークス 2011-03-25 Amazonで詳しく見る |
主人公は、ばーちゃんにぶたれてからショックで本が苦手になったナイーヴな男性。彼が職を探していたところ、ひょんなことから美女店主のいる古書店に就職が決まり…ほのぼのミステリ。
ありとある書店で山積みにして激しくプッシュしてるんで、私も重い腰をあげて読んでみた。結果…やはり、合わなかったな。某「本屋大賞1位」の執事とお嬢様ミステリよりかは楽しめはしたけれど、突き抜けた面白さや、私を夢中にさせてくれるものは、ここにはなかった。
愚痴はこのくらいにして、内容に触れると…まず、前半はおっとりのんびり展開で、いわゆる『日常の謎』系ミステリーだ。しかし、その謎自体が魅力的に感じられず、もじもじ美人店主の萌えキャラ力に引っ張られてなんとか読み進めることになった。
（その真相もなんだかね？好きなヒトへのモンを、いくら困ったって家なきオジサンの文庫本からアレしますかねー、とか酷く疑問）
中盤から、店主の怪我が単なる事故ではないとわかり、急展開してオオッと思うのだが、執着を断つその方法が読者の私にもピンと来てしまうもので、犯人がその可能性に気付かないのは謎。その後、縁があるからといっても、主人公に犯人がくつろいで（？）打ち明け話をするのも、ちょっと違和感を覚えるシーンだった。
とまれ、日常の謎ミステリっていいなーと思われた読書ビギナーの方には、加納朋子の本をオススメしたい。
p.s.本が読めない主人公は、読書好きなヒロインに名作のあらすじを話してくれるよう、せがんだりもする。ヒロインは彼に応えて話すが、主人公は目から読むのが苦手なだけで、聴くのはダメではないんだから、該当作品を朗読してあげたらどうかと思うのだが。
大々的に売りにかけられる本がことごとく好みに合わない私はどうすれば良いのだ…。私とて、けなしたくてベストセラーを読んでるのじゃないさ、面白かった！って思いたくて手に取っているだけなのに、結果はいつもアレなんだ。
ブロックバスターのかかる本の対象読者は、これから本を手に取る読書ビギナーなのだろう。そちらの方が今現在読書好きな人間よりも圧倒的多数派なのであるから、マーケティングとしちゃあ、間違ってはいない。間違っちゃいないんだろうけどな…。
最初「ビブリオ古書堂」で検索したらhitしなかったんだが、「ビブリア」じゃんね！ビブリオって、腸炎か私っ。