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Channel: 読書日記PNU屋
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高田公太、高野真「東北巡霊 怪の細道」

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 みちのく在住の著者二人による、純東北産怪談集。

 共著であるが、半数以上が本書がデビュー作となる高野真の手によるもの。創作味を感じさせない、地に足のついた怪談に好感を持った(☆)。
 また、自ら体験した怪談が散見されるのも興味深い。

 一方、ベテランの高田作品はいずれも体験者の心情描写が素晴らしく、実に読ませる。怪異自体は、『なんだか背中が重い』程度の地味なモノであっても(失礼)、筆力により我が身に起きているかのようにリアルに感じられ、引き込まれてしまう。「下宿の近くの道」の、クライマックスのリフレインが匠!

(☆)「つづく」の理不尽な祟りなど印象深い。
「来る者拒まず。去る者は……」の積極的な怪異、「やはり出る」の定石を外してくる怪異は面白く、どこかユーモラスでさえある。
 加藤組ならでは(?)の自衛隊怪談も良かった。
ただ、「はじめての」のような艶怪談は個人的には苦手だ…。

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