![]() | PK 伊坂 幸太郎 講談社 2012-03-08 Amazonで詳しく見る |
「PK」「超人」「密使」の三編から成る連作集。
どれも複数の人物が時間空間を越えて絡み合う物語で、ややわかりにくい。そのテーマ性といい、エンタメというより純文学に近い趣があるかもしれない。
結局、大きな謎は不明のまま(スポットライトを当てられた登場人物たちも、大きなな流れの中にふと浮かんだ木の葉のように、浮かび上がってはまた流れに埋没していく)なのでスッキリはしないのだが、超能力など不可思議な設定が多々出てきて楽しかったし、私はこういうの嫌いじゃないな。
ただ、ここ二年くらいの著者の作品は、個人と大いなる社会みたいなテーマが多くて、それがものものしくて単純な楽しい物語として読ませることを拒否しているような気がする。