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松山剛「聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。」

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 肉親を亡くし、人生のエアーポケットに入り込みかけていた主人公が夢中になったのは、「無声少女」の動画だった……奇跡、そして思いつながる物語。
 生きる目的を失いかけた青年の、生き甲斐再生、家族新生の感動ストーリーだった。リアルでは毒親育ちで、親への思いが欠落している自分でも胸がじぃんとしたもんな。

 この著者の小説では、いつもヒロインがこれでもかというほど過酷な運命に晒される。だが、彼女らはいつも、いつでも生きる希望を失わない。本書も究極の選択を迫られるのだが、その答えは愛の向こうにあった。もはや、何が正しいか間違っていたかではなく、キャラクターみなが考えぬいた上での選択なのだから、読者はそっと見守るほかはない。

 本書を読むと、若人は両親に親孝行したくなっちゃうんではないだろうか。

聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。 (メディアワークス文庫)聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。 (メディアワークス文庫)
松山 剛

KADOKAWA 2018-08-25


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