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宇津呂鹿太郎「怪談売買録 死季」

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怪談売買録 死季 (竹書房文庫)怪談売買録 死季 (竹書房文庫)
宇津呂 鹿太郎

竹書房 2017-04-28


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 100円払って怪談を聞くか、100円もらって怪談を話すか…。今夜も、怪談売買所には怪異を愛する人々が集う。
 春夏秋冬、季節ごとのイベント順に掲載された実話集。

 お気に入りを下記に。

「眠りに就く前に」怪異はありがちなタイプかもしれないが、お母さんを照らした光の描写があたたかく素敵に思えた。

「水の人」美しい怪異で、一度この目で見てみたくなる。悪いものでもなさそうだし。

「ウィッカーマン」怪異より人が怖い!!

「逆になる」こういった、精神侵食系の怪異が一番私は怖いと思う。

「逆さ人形」真相はヒヤリとするも、苦しさにもだえていた小さいそれを思うと、どこかほっこりする。

「河童」一瞬のビジュアルが鮮やかな怪異。これは…見たくはない、な。

 以前、私も著者のまねをして(メールで伺ったところ、アイディア借用の許可をいただいて)、コミティアXなるイベントで怪談売買所をひらいたことがある。
 ふだんは取材時の接待で1500〜4000円/話を費やしていたため、それがわずか100円でできるなんて?ウヒョー!と、飛びついたのであった。
 しかし、蓋を開けてみれば、語って下さる方よりも語りを求められる方のが多く、語りを全く想定していなかった私はしどろもどろ、怪談売買の奥深さを実感したのであった。
 こんなショボい語りで申し訳ない、お代は要りませんと言いたいところを、ルールであるから100円いただいた、その情けなさたるや。語りを鍛錬してリベンジしたいと思いつつ、いまや幾星霜。
 いつか、著者の怪談売買所に伺いたいものだ。もちろん、100円玉をにぎりしめて。

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