![]() | 火の神話学―ロウソクから核の火まで 大塚 信一 平凡社 2011-10 Amazonで詳しく見る |
人類と火のかかわりを古代から現代にわたって見つめる本。
世界の火にまつわる神話の本だと思い込んで読んだら、原始人の火起こしから火祭り、民間伝承のみならず、蝋燭やガス燈、電球照明に至るまで語る本であった。まあ、神話のパートもちゃんとあるのだけれども。
火とエロス、宗教的な光についての章は観念的で少し私には理解できなかったかしら。
核については終章の見開き二ページで急いで触れただけだったけれど、ここは山岸凉子「パエトーン」を引用するなどしてもっと言及してほしかった気もする。
p.s.かまど信仰のあれこれ(裸回りなど:注)は個人的に初見のことが多く、たいへん興味深かった。
【注】裸回り→正月に家の主人夫婦が全裸となり、かまどの周りを3べん回ったという風習。私には初耳だったが、本書によるとかつては広く日本で行われていたらしい。