![]() | 恋のゴンドラ 東野 圭吾 実業之日本社 2016-11-01 Amazonで詳しく見る |
あるスキー&スノボ場を舞台に繰り広げられる、三十路男女の恋愛模様連作集。
最初の短編を読み始めて、あっミステリーじゃなくて不倫ものか、失敗した…と思った。でもまあ、何か面白いことがあるかも、と読み進めたが、その判断は失敗だった。感性が、合わないなと思ったときに、素直に読むのをやめていれば良かったのだ。
確かに、心惹かれないとはいえど、最後まで飽きさせないのはさすがにベテラン作家の作品だ。
だが、本書にはカタルシスが無かった。
とくにラスト、こちらとて無条件に上手くいくと思ってはいなかったが、仮にも彼女の旧友をあそこまで悪しざまに言うものだろうか?!彼女本人も、友人の人となりは知っているのでは?
ストレスしかたまらない読書であった。
はからずも、キャラクターたちの浅慮によって、スノボ≒愚連隊という、作中で否定された概念を強固な肯定に上書きしちゃっているのでは…?