![]() | 虚実妖怪百物語 序 (怪BOOKS) 京極 夏彦 KADOKAWA 2016-10-22 Amazonで詳しく見る |
魔人が再び日本滅亡を画策し、人心は荒廃していく中、立ち上がったのは雑誌「怪」メンバーら怪奇愛好家達と、妖怪だった?!
重厚な本ゆえシリアスなのか(*)と思いきや、パロでメタで、ぎっしりと業界内輪ネタも詰め込まれたコミカルな小説のだった。
この感覚、なんか覚えがあるなぁと記憶をたぐると、そうだ、「南極(人)」のナンセンス感だ!と思い至った。とくに、レオ☆若葉のシーンがつらい。この人がいなければ(もしくはもっと別のキャラであれば)、1/3のボリュームで済んだのではないかと思うほど。
怪奇ジャンルの実在作家のみならず、実在編集者も多数登場するので、ホラーファンかつ雑誌「怪」読者なら楽しめることだろう。著者ご本人はキャラクターの言の葉にのぼれど未だ登場されていないので、次巻以降に怪奇探偵としての光臨を期待。
(*)たとえば、小野不由美「残穢」とか、竹本健治「ウロボロスの純正音律」のように、実在人物をキャラクターとして登場させるミステリー。