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永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」

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さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポさびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
永田カビ

イースト・プレス  2016-06-17


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 引きこもりになり、誰かにハグしてもらいたいと思う作者は、その願望を叶えるためにレズ風俗に行くことを決意する…孤独な魂の彷徨コミックエッセイ。

 ウェブ広告で、「自分の気持ちをわかるようになりたい」と作者と思われるヒロインがひとりごちるシーンがあり、そこが気になって読んでみた。

 拒食、過食などの摂食障害は母との関係に問題を抱える娘に多いのは、よく知られた事実。作者…ヒロインもその例に漏れず、自分の感情を抑圧し、過剰に良い子であろうとするあまり、心を病んで引きこもってしまう。  
 そんなヒロインは、母親以外の大人の女性にハグされたいあまり、レズ風俗へ行くのであった。

 しかし、タイトルにもなっているこの行動が、最もワカラナイところだった。





ネタバレ


 ハグしてもらいたいのなら、風俗に行かずとも便利屋を頼めば良いのではないか?何でも屋さんにだって、女性従業員はいるだろう。
 そして、ハグされたいはずのヒロインはハグしてもらわず、性的サービスを受けるが、全く楽しそうにできないのだった。

 そして、どういうわけか風俗店のリピーターとなるヒロインだが(再トライしようとした動機も、今ひとつピンとこない)、前回「迷惑をかけた」女性を指名せず、新しい人を頼むのであった。えー、なぜ?初回の人と友達になるんじゃなかったのかいな…。

 風俗レポが,pixivで有名になったことから、身バレを気にして墓穴を掘るところはちょっと面白かった。

 読み終えてアンバランスに感じたのは、ヒロインが過剰な自意識を持ち、自分を詳細に観察するのに対し、母親などの家族を除いた他人には、ほとんど興味がないのだな、というところ。

 そんなわけで、かつてイイ子であろうとして苦しんだとか今現在苦しんでいるとか、ヒロインに共感できる人でないと本書はツラい読書体験になるのではないかと思った。

 ウェブ広告を見たとき作者と私は同類ではないかと予感したのだが、それは私の早とちりだったようだ。本書の前半はともかく、後半はなんとも理解不能だった。

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