![]() | アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック: 8 TALES OF THE ZQN (ビッグ コミックス) (ビッグコミックス) |
花沢健吾「アイアムアヒーロー」の世界を人気漫画家らが描く、豪華アンソロ。
講談社の「ネオ・デビルマン」や「ネオ寄生獣」みたいな感じかな?
アイアムアヒーローの世界を個性的な漫画家らが噛み砕いて、自己流に表現したコミックになっている。
水沢悦子「私がZQNになっても。」
ZQNの常同性(?)を逆手にとった設定。ZQNが現実になればこんな行動に出るカップルもアリだとは思うが、いきなり最中から始まる作品が巻頭だと、少し抵抗感を覚える読者もいるかも?ていうか私が好みじゃないだけか…。
横槍メンゴ「Ghost of a smile」
原作に忠実なのだけれど、ZQN以前かぁ…アリなのだろうが、ZQNを見たかったり。
しっかし、「君は淫らな僕の女王」のときから思ってたけど、このヒトの描く女の子はなまらめんこいな。
石黒正数「ゾンビのいるところ」
ゾンビ上手ぁぁぁ!!!因果応報な結末もグー。
オジロマコト「思春期 オブ ザ デッド」
初読みの漫画家さんだったが、絵もストーリーも良かった!
内容が新しいってのはないけど(新しさだったら水沢悦子がピカイチか。好みではないが…)、輝ける若く美しい命と、腐汁垂れ流す醜く穢れた死者、エロスとタナトスが鮮やかな対比を魅せている。
とくに、花火を待つ主人公たちの、明と暗の切り替わる瞬間の絵が素晴らしい。
伊藤潤二「シーイズアスローウォーカー」
ゾンビマニアのカップルが繰り広げるゾンビ談義が楽しい。
シリアスとギャグがいいブレンドでまじりあった、いつもの氏の作風でクスッとなった。
鳥飼茜「鬼さんこちら」
いつも女性向け漫画(?)をほとんど読んだことがないので、私には理解不能だった…。
陰鬱な雰囲気は感じられたが…。
乃木坂太郎「アイアムノットアヒーロー」
教員ゾンビに支配される教室で均衡が破れ、生徒たちは脱出を図るが…。
ストーリー的にはありがちだろうが、確かな画力で魅せる。本書の中で、キャラクターの心情が一番ストレートに伝わってくる作品ではないだろうか。
吉本浩二「アイアムアヒーロー誕生秘話」
花沢健吾の半生と、「アイアムアヒーロー」制作裏話。
ZQNのすさまじいリアルさは、作者の綿密な取材と旺盛な想像力の両輪から成るのだなぁと感心しきり。