![]() | 雀蜂 (角川ホラー文庫) 貴志 祐介 角川書店 2013-10-25 Amazonで詳しく見る |
作家の安斎は蜂毒にアレルギーがあり、次に刺されたらアナフィラキシー・ショックで命が危ないと言われていた。彼が山荘で目を覚ましたところ、何故かそこにいるはずのないスズメバチの羽音が…サスペンス・ミステリー。
まず20-21pでヘンだな~と思ったのが、この主人公アナフィラキシーショックで刺されたらオダブツ(の可能性が濃厚)だというのに、スズメバチをタオル地のガウンで覆って手でつぶすんスよ。そのくだりは、こう。
「半ば、ハチの針が手に突き刺さる痛みを覚悟しながら」
…叩くんだけど、イヤあんた、一回でも刺されたらアウトなのに「痛みを覚悟」って、そりゃないだろ~と、なんだか萎えてしまった。
そしてラストの真相があり、あーそういうことか、これはホラーサスペンスではなくサスペンスミステリだったのねぇ、と納得して読了。
文壇パーティのシーンなど、推理を促すフェアな記述もあるのだけれど、でも…でも、好きなタイプの話ではなかったな。
どうせなら、もっとバカミス方面に針路がふれてくれていたら良かったかも。ダイヤルとフックボタンのシーンはフフってなるくらい面白かったし。