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四人の女たちから広がる、青空色のスーツケースと旅の物語、連作集。
何の事前教法も入れず、さわやかで可愛い装丁から、若いOLとかの自分探しストーリーかなぁと読みはじめたら、いきなり最初の話が重くてひいた。最初の話のヒロイン・真美だけが、とてつもなく重い過去を背負っているのである。それが暗く尾をひいて、残りの話(甘酸っぱい恋の始まりやほろ苦い恋の終わり、親子の軽い対立と和解とか、いい話も多いのだが)を全く楽しめなかった。
確かに、現実にはありふれた悲劇だろが、果たしてここまでヒロインに重い過去を背負わせる必要はあったのだろうか?読み終えた今も、私にはよくわからない。