![]() | アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由 YS001 (ヤマケイ新書) 山野井 泰史 山と渓谷社 2014-10-24 Amazonで詳しく見る |
世界的な登山家である著者が、今まで生命の危機をどのように乗り越えてきたのかを真摯に綴った一冊である。
私自身は登山をしたことがなく、アルピニズムと極地法についても初耳、ボルダリングって何?という知識レベルゆえ専門用語などは理解が難しかったが、そんなことはたいした問題ではなく、山に魅せられた生き方に心打たれた。
若いときに目撃したクライマーの死や友人の死、奥様と著者ご自身の遭難体験(指の半分以上を凍傷で失っている…)や、クマに襲われ腕と顔面を咬まれるなど、登山家でなければ遭遇しないであろうエピソード(*)が続出で、まことエキサイティングな内容は壮絶と言うよりない。
本書によって、命奪われるとも愛さずにはいられない山の魅力の一端に触れたような気がした。
(*)最後のクマは登山時でなく、ランニングの途中の出来事であるという。