![]() | シドニアの騎士(15)限定版<完> (講談社キャラクターズA) 弐瓶 勉 講談社 2015-11-20 Amazonで詳しく見る |
人類の播種船・シドニアの騎士である谷風長道は、奇居子(ガウナ)との戦闘で最終局面を迎えていた。一方、傷ついたつむぎはひたむきに…ロボットSF最終巻。
ラスボスたる大衆合船も、かなた=落合も、その決着がやけにあっさりしすぎに思えるが、まあそれだけ人類が大きな力を得たということなのだろう。
つむぎの運命が気になりすぎて、コミックス収録ぶんは月刊アフタヌーン本誌で読んでいたため、コミックスはストーリーの再確認のため購入した。あまりに面白すぎて先が気になりすぎると大急ぎで読んでしまうので、もう一度じっくり味わうために再読するのだ。
つむぎは今までの伏線からこうなるだろう、という展開だったが、驚いたのは、ゆはた。まさか…の展開である。その手があったか、という驚き。
長道のその後は大急ぎで、コミックスで補足があるかと期待していたけれど無し(長閑のその後が見開きイラストで追加されただけで、雑誌掲載時と同じ)。
この長い、素敵な物語が最後急ぎ足だったのはちと残念にも思うけれど、本書は間違いなく2015年における私のベストコミックだった。夢中になれる時間をありがとう。
思えば、「バイオメガ」(*)のイルンゴルヌルカ&タンノことヒグイデが作中に登場したり、エナ白(☆)が長道をさして「うわぁ」と言うのは「アバラ」で白奇居子化したあの娘の台詞と一緒だったり、「BLAME!」で最強兵器である「重力子放射線射出装置」が作中で初制作されていたりと、長年の弐瓶ファンには美味しすぎる作品であったと思う。
むろん、本シリーズ単独でも充分にめくるめく読書体験ができると思うが、過去の弐瓶作品を既読ならば、楽しさが数倍に増幅されること、請け合いである。
p.s.最終巻ということで、フンパツして3000円越えの限定版を買ったよ。でも、おまけ(?)の使い道が思いつかないよ。
(*)「バイオメガ」
(☆)ガウナがエナで再現した星白のこと。
アフタヌーン今月号に著者の対談が載っていて、レアな持込&アシ時代のことや、新作の構想が既にあることなど、ファンには見逃せない情報が詰まっている。
岩明均「ヒストリエ」も掲載されているし、今月のアフタヌーンは見逃せない。
アフタヌーン 2016年2月号 [2015年12月25日発売] [雑誌]
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