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小林健太郎「プリンセスオーダー」

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プリンセスオーダー~絶対遵守の姫君~ (一迅社文庫)プリンセスオーダー~絶対遵守の姫君~ (一迅社文庫)
小林 健太郎 明星 かがよ

一迅社 2014-07-18


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 異世界と交わる災害により、その街に住む人々のある者は死に、生き延びた者は特殊能力を会得していた世界で、契は「プリンセス」と呼ばれる能力を持つ少女・エルシアに出会う。まっすぐな少年とツンデレ(?)少女の交流を描くファンタジー。

 世界や能力の設定がなかなか魅力的。とくに「プリンセス」能力者たちは儚い美しさと耽美な退廃とを感じさせて良かった。
 まあ、とにかくエルシアが可愛い。ヒロインやサブヒロインの委員長は魅力的な割に、奥手な主人公はちと印象が薄かったかも(とはいえ、ラノベの主人公はたいてい影が薄いものだ)。

 エルシアは自分でも言えないような難しい名前があるのだが、ミオはただのミオなのだろうか? 
 世界の重なりというのがよくわからなかったのだけれど、「デビルマン」のデーモンが憑依する黒ミサみたいな感じなのかしら?
 など、いくつかの疑問も残しつつ、物語はさらりと終了。災害後の静かな悲しみと、仲間のあたたかさ、人の優しさを詰め込んだ物語であった。

 イラストは可愛い絵柄なのだが、本作の少し大人っぽい雰囲気には合っていなかったかも。 


p.s.なぜこの本を手に取ったかというと、著者のツイートがきっかけだった。著者が怪談本の感想をツイートしているのを拝読⇒プロフを見るとこの本の情報が、というわけである。ネット時代らしい読書動機だな。

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