![]() | FKBふたり怪談 伍 (竹書房文庫) 黒木 あるじ 黒 史郎 竹書房 2015-01-29 Amazonで詳しく見る |
怪談の旗手お二人によるゴージャスな一冊。
最初に個人的なことを書くが、体調不良でなかなか怪談が読めず今ごろの感想UPとなってしまった。心身が弱っている時にこのテの本を読むのは怖いのである。
黒パートはストーリー性の強い怪談目白押しで軽快にしてきちっと怖く・そして・面白く、うならされる内容だった。
お気に入りを下記に。
「太りたい」タイトルの意味がわかるとき、予想外にコミカルなオチにやられる。
「クリスマス」もやもやとした意味不明さが、逆に心地よい。クリスマスプレゼントが一気に不気味に思えてくる。
「カウチポテト」すさまじいボケなのか、何かの祟りなのか。とにかく厭怖い。
黒木パートは正調平山節から変貌し、土着の雰囲気を濃く漂わせる黒木節となった。流暢に語られる怪談は、さらさらと流れつつも何か不気味なひっかかりを読者の心に残してゆく。
お気に入りを下記に。
「鬼靴」異世界の存在を、こちら側から解釈するのは難しいのだ。いろいろ考えさせられる。
「村怪」ちょっとほっこり。
「村人」高橋ヨシキ譚にも似た、芳醇な味わいのお話。
「雪女」怪異そのものより、怪異を解釈しようとする人々の思考が面白かったかも。