 | 殺人鬼教室 BAD (TO文庫) 倉阪鬼一郎 ティー・オーエンタテインメント 2013-06-01 Amazonで詳しく見る |
殺人と乱交が美徳とされる世界で暮らす美少女・ユキは、先輩のワタルに淡い恋心を抱くが、愛情は悪とされるため、ひた隠しにして生きるのだった。やがて冒険者となったユキは、ワタルらと共に世界の秘密を探りに行くが…エログロ満載のダークファンタジー。
…とはいえ、淡々とした描写ゆえグロはさほどでもなく、登場人物が繰り返しエロるのは「新世界より」を彷彿とさせた（本作の方が先行しているが）。
異常な価値観の下でも、イイコであろうとするユキがいじらしい。それだけに、夢はインプリンティングでなかった方が良かったかも。
ラストは血と内臓と狂気の中にあるユキが聖性すら帯び、美しかった。ここは著者の傑作「The-End-」（＃１）や、生贄モチーフが印象的な「ひだり」（＃２）を連想したが、本作こそがそれらの原点なのだろう。
（＃１）まさに幻想文学。
The End
（＃２）生贄、投石。
ひだり (角川ホラー文庫)
