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村上春樹「女のいない男たち」

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女のいない男たち女のいない男たち
村上 春樹

文藝春秋 2014-04-18


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 ハルキ・ムラカミの本を読むと、超自然的な物事が襲来しない作品でも、この現実・現代の日本で起きていることのようにではなくて、どこかおとぎの国のお話のように感じられる。
 この短編集も、まさにそんな感じの一冊だった。

「ドライブ・マイ・カー」これに登場する女性がタバコのポイ捨てをすることから、作品のモデルとなった街よりクレームが来たといういわくつきの小説。
 流行り(?)のNTR(ネトラレ)譚で、男のしんねりむっつりした暗い情念が少し怖かった。だがそれが、淡く薄く儚くなっていく過程がいかにもハルキ・ムラカミらしいと思った。うまく言えないけど。

「イエスタデイ」変人の若者が生き生きと書かれている。私も関西弁(とくに河内弁)が憧れなので、なんとなく気持ちわかるなあと思っていたら…これもまたNTRなのかいいいいいっ!

「独立器官」またもやNTR!!もはやトレンドと言っていいだろう!!!なんとなく「100万回生きたねこ」を連想した。

「シェエラザード」面白い。面白いが、変態。本書の中では、読んでいて一番ワクワクした。謎が解き明かされず、ああん~なところで終わるのがいかにもハルキ・ムラカミ。

「木野」エロ度低めで好みだった。やはりファンタジー風味の作品の方が、私は好きだなあ。これも謎が謎のままなので、著者の新作長編に生まれ変わるのかもしれない。

 ラスト、表題作はこの本の中ではあまり印象に残らなかった、かも。

 

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