加藤 一
竹書房 2011-11-29
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十五人競作の動物怪談集。
かいせい、かと思ったらタイトルの読みは「かいしょう」とのこと。 私が楽しかった話を下記に。
鳥飼誠「伝染」意味不明の現象が新味を感じさせ、説明がないことでかえってシュール感煽る。
ねこや堂「ギブ! ギブッ」見間違いと言えばそれまでだが、ほんのりと可笑しさ漂うキュートな小編。
三雲央「潰しても潰しても」躰に生じる異変が誠に怪奇。
鈴堂雲雀「禁止の理由」話自体はありがちな内容なのだけれども、怪異の描き方にリアルを感じた。
西浦和也「現代百物語 殂ク話」
![]() | 現代百物語 殂ク話 (恐怖文庫) 西浦和也 竹書房 2011-12-26 Amazonで詳しく見る |
一冊で九十九話を一気読みの百物語シリーズ。
最初は背筋凍らせてくれたこのシリーズ、巻を追うにつれて小粒になってきちゃったかな? とは思うものの、しっかりとした確かな語り口が個々の話を水準以上に引き上げている。
毎度ながら、一つの怪異を序盤・中盤・終盤で割って三話にするのはどうなんだろう…連続性があった方が読むとき迫力を感じると思うのだけど。百話にならぬよう、という配慮なのかもしれないけれど。
私が面白かったのは、剛毅な第四話「気にしちゃ負け」、パソコン時代ならではの第六話「眼力」、和み系の第九話「超高速」。
きれいにオチる第十八話「夢の猫」、映像的なイメージが痺れる第三十四話「申し送り」、哀しくも可笑しい第九十四話「ママただいま」。