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ファンの女子から、死体が次々流れつく島の話を聞いた石岡と御手洗は、裏側にあるドス黒い犯罪に気付き…社会派ミステリ。
待ちに待った御手洗もの新作!相変わらず女の子には手厳しい御手洗さんだ、だが、シリーズの他作品と比べてワクワク度が低いのは何故なんだろうか?
島民のものでない死体が次々流れつく島なんてホラー好きにはたまらなく素敵だし(この謎はすぐ解けるが)、歴史と現代的犯罪が交錯する大胆な構成は、さすがミステリーの神様!と思うのだけれど…。
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第二次大戦の負の遺産、新興宗教と原発など、テーマがあまりに社会派に過ぎてエンタメたりえなかったような気がしてならない。
意義のある内容だとは思うのだが、呼んで楽しいかというと、それは別問題なのだ。
そして、歴女の軽薄なキャラは、どうも作品から浮いていたような…?!歴史の謎と犯罪部分との絡みが今一つで(解決には絡むのだけれど)、どうも乗り切れなかった印象。
そして、本作の時代はいつなのだろう? 御手洗国内最後の事件のはずが、どうも原発事故後の、今の日本っぽいような…作中では汚染が古くから酷かったという設定なのだろうか?
永井割にぶんまわしが少ないなど気になるところがないではないが、本を置くあたわずというほどではないまでも、普通に楽しめた。御手洗ものだからブットビですげえはず…という期待がなければ、満足していたと思う。