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平山夢明・監修「怪談実話FKB 饗宴」5、感想後半

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怪談実話 FKB饗宴5 (竹書房ホラー文庫)
怪談実話 FKB饗宴5 (竹書房ホラー文庫)
前半http://ameblo.jp/bookfed/entry-11601865893.htmlのつづき。

岡本美月「深夜の訪問者」トイレでドッキリ。あえかなものが、確かな筆致で書かれる。
同「草刈り」簡単なバイトのはずが…因果応報がスッキリして気持ちいい。

倉阪鬼一郎「腐」著者の小説ではおなじみの、漢字の乱舞がグロくも魅力的だ。

ギンティ小林「一九八九年、セックス」ショッキングなタイトルから、これまた予想の全くつかない展開が待ちうける。わけがわからないのに、奇妙に心惹きつけられる話だ。

我妻俊樹「赤い紐」スーパーで買い物しようと思っただけなのに…夢とも現ともつかない境界がぶよぶよとキモチワルイ(←褒め言葉です!)。
同「草犬」父の遺した庭に、謎の小屋がかけられていて…もしかして、●神?などと思いつつ読んだ。読者が想像遊ばせる余地があり、そこが楽しい。
同「カラオケ」一緒に来たはずの友人が見当たらず…ストンと残虐にオチ、読後余韻が残る。

亀井亨「海の馬」アルコール中毒の両親に、子は…悲しみのいきつく果て、ラスト一行にガツンと殴打されるようだ。

平山夢明「一度だけ」一人の男を奪い合う、女たちの執念が恐怖呼び覚ます。現代を舞台に、古典もかくやのおどろおどろしい怨念渦巻くのが素敵だ。
同「母恋し子恋し」実験と称して猫をいじめて遊ぶ男児は…とてもいたましい。
同「地震」目の覚めるような、くっきり鮮やかな怪異が印象的。

東良美季「フェイスブック」記憶の不確かさに頭がぐらぐらしてきて素敵。

黒木あるじ「異獣」ケモノに関する、いろいろな話。ぼさつさま、一度見てみたい。
同「異人」ヒトに関する、さまざまな話。ラスト悲しいけれども、謎の多い写真の話が好きだ。

 巻末には、編者による全話解説が収録されている。新しい地平を切り開き、毎回進化していく「FKB饗宴」シリーズ、読者として続刊が楽しみでならない。




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